情報化の推進と行政合理化などについて

平成11年6月 愛知県議会定例会

1. 情報化の推進と行政合理化について
2. 
小児保健医療総合センターと病病連携、病診連携について
3. 
精神障害者の社会復帰施設について
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渡辺ひでと

私は、通告に従いまして、三点について順次質問してまいります。

最初に、情報化の推進と行政合理化について伺います。

行政改革というと、まず事務事業の見直しや組織機構の見直しなどが思い浮かびますが、
今日のようにコンピューターや周辺機器の小型化、高速化、大容量化や価格が大幅に低下したことによって、
情報通信が行政改革に果たす役割が大いに注目されるべきことはもちろん、
今、その環境条件が整ってきていると言えます。

また、現在の情報通信技術の水準は、いつでも、どこでも、だれとでも、どんな情報でも、
個人の要望に合わせて容易に通信できるという通信の理想の形に大きく近づいていると言えます。

こうした状況にあって、本県も、本年1月19日から愛知県行政情報通信ネットワークの運用を開始して、
本庁や地方機関を高速ディジタル専用回線やISDN回線などで結び、
あらゆる県機関の情報の共有化を可能にしています。

このネットワークの利用で全庁共通業務等をシステム化して、
全庁掲示板を配して職員に周知すべき事項を知らせたり、
電子メールの利用によって、相手の都合を気にすることなく、
いつでも、より速く、簡単に情報を伝達できるばかりか、受け取った情報をワープロなどで加工して再利用できるなど、
事務の効率化にも大いに役立っているものと思われます。

また、本庁会議室を予約するシステムは、迅速かつ効率的に会議室を予約できるばかりではなく、
将来、スペースの縮小化にも結びつけることができると考えられます。

一方、防災無線の周波数帯の移動に伴って、
県下市町村と平成十四年度までに順次新総合通信ネットワークを構築して、
県関係機関はもちろんですが、市町村同士でも、防災情報のみならず、
その他の行政情報の照会、連絡、情報交換など機能の充実に努め、
効率化を推し進めることができるようになります。

この二つの通信ネットワークの整備は、県の機構改革を初め事務事業の見直し、
また、情報内容や時間格差が生じやすかったこれまでの情報伝達のあり方が大きく変化し、
行財政改革や情報改革の是正にも大きな役割を果たすのではないかと期待するものであります。

そこで、以下質問してまいります。
まず、高度情報化の推進における職員の能力の向上などについて伺います。

パソコンなどを使いこなすには、習うよりなれろとも言われますが、
情報化の推進を軌道に乗せ、業務面の省力化や省資源化を達成するためには、
機械に振り回されるのではなく、使いこなしていくことこそが大切であると思います。

そのために、まず、管理職から率先してパソコンを使用してこそ職場の事務事業も円滑に機能し、
省力化されることも多いと思います。

情報化の推進は、こうした点から今後の行政改革につながる大切な要素であると思います。

民間では、それぞれ、オン・ザ・ジョブ・トレーニングや自己投資、自己研さんで、過度な研修などを行わず、
情報化推進に必要な水準を達していると伺っていますが、本県ではどのように取り組んでいくのか、
お尋ねいたします。

 

次に、情報化の推進による行政機構の変革について伺います。

現在は、細分化している職務分担の制度や各事務所の機能は予算の体系に基づいて縦割りで行われており、
その結果、必要以上に職員をふやしていることになっているのではないかと危惧いたします。

また、情報化の推進で、業務の効率化や職務分担のフラット化、
人員の大幅な削減にも大いに役立つものと期待いたします。

高度情報化を確実に推進することによって、第三次行政改革大綱に記されていた平成13年度の実施から、
平成12年度実施に前倒しして実施される部局の再編等を契機に、職制のあり方なども含め、
行政機構が大きく変化していくべきものと考えます。今後の方針をお尋ねいたします

 

三点目に、本庁と県の出先機関や市町村との情報格差の是正について伺います。

本庁と出先機関や県と市町村の情報連絡には、これまで郵便や会議等で行っているにもかかわらず、
市町村の各自治体との情報格差はもちろんですが、
ともすれば県職員の間でも、
本庁と出先機関との間に情報の量や質に格差が生じることに大きな疑問を感じていました。

もとより行政の情報は、市町村などの行政機関にとって地域間の情報格差が生じることは、
すなわち住民サービスの低下につながることから、あってはならないことだと思います。

県は、第三次行政改革大綱の中で、
こうした情報格差の生じる要因となっている総合事務所機能などの見直しも掲げられていますが、
情報化の推進に当たって、情報格差が生じない工夫が必要であると思います。
今後どのように配慮していくのか、お尋ねいたします。

続いて、県と市町村との間において構築する情報ネットワークの一元化について伺います。

現在、県と市町村の間を中心に、新総合通信ネットワーク整備事業が進められようとしていますが、
県のそれぞれの事業担当部局、または関係団体において、既に構築されたネットワークや、
今後構築を検討されるものもあると思います。

新たに新総合通信ネットワークを中心にしたシステム化が図られるに当たって、
市町村との既存のネットワークやこれから構築するものも、
できる限りネットワークを一元化することが望ましいと思いますが、
どのように対応しているのか、お尋ねいたします。

 

次に、小児保健医療総合センターについて伺います。

仮称小児保健医療総合センターが、財政の大変厳しい時期にもかかわらず、
昭和48年度に検討が始まって以来26年余を経て、今回、ようやく建設に踏み切ることになりました。

今日、小児病床は毎年のように縮小していく傾向にあり、県内小児専用ベッド数は、
平成7年の1944床から、平成10年には1679床となり、一床当たりの15歳未満人口577人から654人に、
また、十五歳未満人口の減少率は2.1%であるのに対して、
小児専用ベッドは13%以上の減少となるなど、必要ベッド数に対する減少幅に歯どめがかからない状況にあります。

その背景には、患者である子供は、大人に比べて治療に人手と手間がかかったり、
薬剤が成人より少ない量しか投与しないなど、大人の分野に比べ、
収入の割に看護婦や医師を大幅にふやさなければならないことが要因であると言われます。

子供を取り巻く環境の変化は著しく、健康に生まれたにもかかわらず、
小児生活習慣病や不登校、心身症など新たに医療行為が必要とされる分野が広がっていることや、
聴力言語障害や口唇口蓋裂など早期治療と集中化が望まれるのが現状ですが、
現在の医療体制では十分な対応をすることが困難なケースが増加しており、
これらに対応することが急務となっています。

また、少子・高齢化が一段と進展する中で、生産年齢人口の減少や国民負担率の上昇が懸念されるなど、
少子化が社会に及ぼす影響を考えるとき、
小児保健医療総合センターが少子化を抑制できる機能的役割を果たしていくことが重要であると思います。

そうした状況の中で、この予算では、
保健部門と小児慢性疾患児の受け入れとしての一病棟分と外来部門などに限った形での一部着工にとどまり、
本格運用にはほど遠い状況でのスタートと言わざるを得ません。

しかしながら、県財政が一段と厳しいときにあって、このたびの小児保健医療総合センターの建設は英断であり、
部分オープンとはいえ、子供や親にとって安心できる小児医療体制が確立される方向に大きく動き出したことは
極めて意義深いと思います。

そこで質問いたします。

まず、人材の確保について伺います。
小児保健医療総合センターで必要とされる医療水準を確保するには多才な人材を求める工夫を要すると思いますが、
どのように対処するのか、お尋ねいたします。

また、一部機能だけをオープンする状況では、
必要とされる人材の確保に支障を来すのではないかと考えられます。
所見を求めます。


次に、小児保健医療総合センターと
病院や診療所との連携をとる、いわゆる病病連携、病診連携について
伺います。

愛知県には、既に1980年、全国に先駆けてつくった新生児救急医療情報システムや、
昨年には周産期医療ネットワークが発足して小児医療の一分野を補完してはいますが、
医療技術、とりわけ臨床検査が重要視される中で、つい先ごろまで、
小児科領域の検査の物差しが十分定まらない状況で、小児科医の経験と勘に頼るところが大きいとも伺っています。

しかし、子供の病状の変化は大人に比べて大変速く、こうした点を踏まえて、
病病連携や病診連携など基幹病院ネットワークシステムが構築されることが重要であると思います。
今後その構築に向けてどのように対処していくのか、お尋ねいたします。

続いて、保健所機能との連携について伺います。
これまで保健所や市町村が担っていた小児保健の分野に加え、
小児保健医療総合センターの保健部門がその役割を充実、強化するとされていますが、
今後、保健所や市町村などとの連携をどのようにしていくのか、方針をお示しをいただきたいと思います。
また、母親などへの啓発や情報の発信をどのように行っていくのか、お尋ねいたします。

さて、有効な少子化対策はないとも言われますが、
ただ手をこまねいているばかりでは何も得られるものはありません。

財政は大変厳しいときであり、これまで以上に、
最小の投資で最大の効果が期待できるよう事業の見直しをすべきであるとは思いますが、
一方で、目先の赤字の発生にばかりとらわれるのではなく、世代間の人口構成をいかに均等化できるかが、
次世代の負担を必要以上に大きくしない重要な要素であると思います。

言いかえれば、
社会を支える若年層の人口構成比率をふやすことが社会の活力を保つ上で大変重要であると思います。

その意味で、小児保健医療総合センターでは、親の子育て不安を解消し、
一人でも多くの子供を産み育てる喜びを感じられる状況を支える機能を持たせることが重要であり、
保健部門などの機能の充実に最善の努力をしていくべきではないかと思います。

また、毎年の赤字は覚悟しつつも、いかに抑制していくのか十分配慮した上で、
当初計画に基づいて全面オープンを急ぐべきではないかと考えます。
知事の所見を求めます。


最後に、精神障害者の社会復帰施設について質問します。
現代社会は、とかくストレスの増大などにより心の問題を抱える人がふえていると言われます。

患者調査によれば、精神障害者数は、
平成3年度に既に100万人を超え、平成5年に157万人、平成8年には217万人と急増しており、
今日では、だれでもその状態に陥る可能性があると言えます。

しかしながら、精神障害というと、難しい問題として社会的偏見の中で扱われてきました。

精神障害は、早期に適切な治療や福祉的援助を受けられれば相当程度回復が可能とされていますが、
適切な治療が受けられなかったり、社会復帰や福祉対策の不足などでなかなか退院できなかったり、
退院しても行くところがなく家に閉じこもってしまうなど、
本人や家族にとってもその苦労は大変なものであると推測できます。

こうした中、平成7年12月、国において障害者プラン、ノーマライゼーション七ケ年戦略が策定され、
平成14年度をめどに、地域の精神保健福祉施設の充実に向けた目標が掲げられ、
愛知県においても、精神障害者の自立と社会参加のために諸施策の充実を図っておられます。

殊に、精神障害者小規模保護作業所を初めとする施設の充実は、
精神障害者の社会復帰に欠かせないと言われ、
県も作業所を保健所や支所単位に最低一施設を設置することとしていますが、
いまだ設置されていない地域もあると伺っています。

そこで質問いたします。
精神障害者小規模保護作業所は民立施設ではありますが、
精神障害者の社会復帰への重要な役割を担っていると思います。

作業所の設置に向けた取り組みに保健所も積極的にかかわり、
市町村などにも協力を求めていると聞き及んでいますが、
障害者プランを策定している関係市町村の理解も極めて重要であると考えます。
そこで、未設置地域において、今後、県はどのような設置方針で臨まれるのか、お尋ねいたします。

また、精神障害者小規模保護作業所のない地域では、
知的障害者の福祉施設など他の施設の利用を促していく必要があると考えます。
最後に所見を求めて、質問を終わります。

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