社会福祉施設の整備と運営について - 渡辺ひでと公式HP~愛知県清須市から

社会福祉施設の整備と運営について

平成9年12月定例会 一般質問
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渡辺ひでと

私は、通告に従いまして、社会福祉施設の整備と運営について質問いたします。

社会福祉施設というと、まず特別養護老人ホームや保育所を思い浮かべますが、
実際には、社会福祉事業法に規定されました社会福祉事業を実施する生活保護法、
児童福祉法などの福祉六法に定められた施設が主なもので、
県下に設置されている社会福祉施設だけでも四十種類以上の種別があります。

この社会福祉施設には、大きく分けて特別養護老人ホームなどの行政処分による措置によって
入所あるいは通所する措置施設と、老人福祉センターや児童館などの利用施設があります。

県が所管する社会福祉施設は、
900以上ある保育所、児童遊園などを含め、3000ほどあると伺っております。

現行の福祉各法は、おおむね昭和三十年代までに制定され、
いずれも制度開始後三十年余を経ておりまして、
国においては、時代のニーズに合わせるべく、社会福祉の構造改革を進めています。

こうした中で、児童福祉法の改正や介護保険の導入により、従来の措置制度が見直されるなど、
社会福祉施設の制度もさま変わりしつつあると思われます。

社会福祉施設は、措置による入所のための施設だけでなく、
デイサービスやショートステイなど在宅介護を支援する拠点となる資源として、
今後の福祉施策を進める上で大変重要なものであると考えております。

そうした点を踏まえ、順次社会福祉施設に関連いたしました5点について質問してまいります。

最初に、
高齢化が進行する中で整備促進が図られている特別養護老人ホームについて
お尋ねしてまいります。

まず、県立と社会福祉法人立の役割について伺います。

本県は、昭和39年11月に県下で初めて県立の特別養護老人ホーム、老人ホーム東郷寮を設置して以降、
昭和40年代に5施設を、昭和50年代には5施設の合計11の県立施設を県下各地に設置し、
民間をリードする先駆的な役割を担ってきました。

昭和50年代からは、民間法人による特別養護老人ホームの整備が始まり、
昭和60年代に入るとさらにその数は増加し、以降、民間法人による整備が主流となり、
県所管の特別養護老人ホームは、開所ベースで昭和55年4月にはわずか3施設であった民間施設が、
本年4月1日現在では52施設となっています。本県も、山間地域に建設されたやまゆり荘を除けば、
昭和54年を最後に県立施設の建設はなく、民間法人が主体に整備していますが、
今日では多くの民間法人が設立の意向を持っていると聞き及んでいます。

厚生省は、平成5年度以降の特別養護老人ホームの整備に当たっては、
デイサービス、ショートステイ、在宅介護支援センターなどを含む総合的な施設整備の提供を求めており、
殊に特別養護老人ホームの整備に際しては、民間では社会福祉法人立しか認めていません。

こうした状況の中で、県立施設では、市町村業務となっているデイサービスを行っておりませんし、
「愛フルプラン」では、特別養護老人ホームを整備する場合、
民立施設には入所定員の4割を痴呆性老人の入所のために確保することを指導していますが、
現在建築している県立の御油寮では5割としているにすぎません。

こうしたことから、
県立と民立施設との間の処遇内容について大きな違いが存在しているとは言いがたいと考えます。

そこで質問いたします。
このような現状を踏まえ、
今後県立特別養護老人ホームではどのような運営をしていかれるのか、その方針をお示しください。


次に、介護保険制度に関連して、特別養護老人ホームへの影響についてお尋ねいたします。

本日にも国会において介護保険法案が成立する運びとなっていますが、
この法案によりますと、特別養護老人ホームは、老人保健施設、療養型病床群などとともに、
介護保険施設と位置づけられることとなっています。

すなわち、今までの市町村措置施設ではなくなって、医療保険制度における医療機関と同じく、
利用者が選択して利用できる施設となるものであります。

このため、入所される方の処遇に要する経費は、現在措置費として施設に支給されているものが、
制度創設後の平成十二年四月からは介護保険法に基づく介護報酬として支給されることとなります。

この介護報酬の額がどのようになるかによって、
特別養護老人ホームの経営が安定するかどうかが決まることになりますが、
この額については、法案成立後、審議会に諮って決定するとのことであり、介護報酬額は不明であります。

しかしながら、厚生省の説明資料によれば、措置費額と同程度になるようでありますので、
特別養護老人ホームの経営を措置費収入の範囲で行っている社会福祉法人にとっては
まだ影響が少ないものと思われます。

しかし、本県では従来から民間社会福祉施設運営費補助金により、
施設職員の人件費補助を実施されており、この補助金の交付を現に受けている法人や、
将来の補助を見込んでいた法人にとっては、
給与体系の大幅な見直しなどが必要ではないかと危惧いたします。

民間社会福祉施設運営費補助金は、昭和46年に本県独自の施策として
民間社会福祉施設の健全経営を助けることと職員の処遇向上を目的に創設されたもので、
以来、民間社会福祉施設の振興に大きな役割を果たしてきたと認識していますが、
今後、介護保険制度の創設後の行方は
民立施設の今後の運営に大きな影響を与えるのではないか
と考えます。

そこで質問いたします。
介護保険制度創設後の平成12年度には民間社会福祉施設運営費補助金をどのようになさるつもりか、
その考え方をお聞かせいただきたいと思います。


質問の3点目は、
障害者施設の整備と施設整備を利用したデイサービスやショートステイの相互利用について伺います。

身体障害者や知的障害者の方が住みなれた家や家族と離れて施設に入所することになったとき、
新たな環境や施設での生活に大きな不安を感じるのではないかと思います。

ましてやその施設が今まで生活してきた地域とは遠く離れたところであっては、
その不安は倍増するばかりではないでしょうか。

そのため、施設に入所するとしても、障害者は、家族が住んでいる住みなれた地域の施設を望み、
またその家族も、障害者がたとえ入所したとしても、家族の一員であるとの思いに変わりはなく、
身近な地域の施設に入所してほしいと考えることは当然であると思いますし、
事実、障害者やその家族から、居住地から離れず、身近な地域の施設に入りたいという要望をよく聞きます。

まして、障害者療護施設や精神障害者更生施設は
ほとんどがデイサービスやショートステイの施設を併設しており、
その利用の至便さと施設入所者の要望を考え合わせると、
身体障害者療護施設や精神薄弱者更生施設などの入所施設を
地域へ適正に配置することが必要であると考えます。

次に、障害者が地域社会においてその一員として生活していくために、
障害者自身が自立を目指して機能回復訓練などを行いますデイサービス事業と、
障害者の介護を行う人が病気などの理由によって家庭で介護することができない場合に、
障害者を一時的に保護することを目的とするショートステイ事業についてでありますが、
デイサービス事業では、
老人と身体障害者、身体障害者と知的障害者の間で施設間の相互利用が実施されており、
また、ショートステイ事業については、老人と身体障害者の間で進められています。

しかしながら、現実には、県下十四の障害保健福祉圏域のうち、
圏域内にデイサービスやショートステイを提供する身体障害者療護施設や
精神薄弱者更生施設さえない地域があります。

こうした地域からは、身体障害者療護施設や精神薄弱者更生施設などの入所施設の建設に対する要望と
特別養護老人ホームなどでのデイサービスやショートステイの実施が期待されていますが、
現在のところ厚生省は、老人と知的障害者のデイサービスやショートステイの相互利用は認めていません。

そこで質問いたします。
身体障害者療護施設や精神薄弱者更生施設について、
地域ごとに見ると、施設未設置の圏域もありますが、どのように考えておられるのか。
また、今後いかに施設整備を進めていかれるのか、お示しください。

あわせて、
デイサービスやショートステイ事業における施設間の相互利用の拡大の見込みについてお示しください。


第4点として、県立施設の運営の合理化について伺います。

社会福祉施設の運営は、国が示した職員の配置基準に基づく職員の配置によって運営されていますが、
入所者の介護や指導に当たる、いわゆる直接処遇以外の分野について、
外部委託が可能なものについては
外部委託を行って業務の改善や施設運営の合理化を図っていく必要があると思います。

施設によっては、既にコンピューターや各種介護機器の導入による業務省力化の推進や、
清掃などの業務の一部を外部委託されていると聞いていますが、
今後は特に調理分野においても外部委託を実施されてもよいのではないかと考えます。

社会福祉施設の調理業務については、
施設みずからが行うことが好ましいとされて調理員が各施設に配置されているところですが、
民間事業者の調理技術が格段に向上している今日、一定の給食の質が確保され、
入所者の処遇向上につながるような配慮がなされれば、外部委託にすることが望ましいと考えております。

調理を外部委託することにより、民間の持つ弾力的な経営やスケールメリットを生かすことができて、
経費の節減や選択食の導入などによって食事の多様化が図ることができるなど、
入所者の処遇改善につながるものと思われます。

既に民間の社会福祉施設においては、県内では特別養護老人ホーム、精神薄弱者更生施設などの
19施設で給食の外部委託が行われていると聞いております。

そこで質問いたします。
こうした状況を踏まえて、
県立の社会福祉施設の運営の合理化についてはどのように考えておられるのか、お示しください。

また、今後県立の社会福祉施設において調理業務を外部委託していく考えはないかお尋ねいたします。


最後に、県立施設の整備方針について伺います。

本県においては、県立で設置されている社会福祉施設は、
婦人保護施設の白菊荘や救護施設の新生寮などの一部の施設を除いて、
福祉法令が整った昭和30年代後半から50年代前半まで、
民間法人による施設整備が期待できなかったこともあって、
特別養護老人ホーム、身体障害者療護施設、精神薄弱者更生施設など
入所型の施設を中心に順次整備してこられました。

こうした入所型の施設のほか、
こどもの国など大規模な利用施設についても県立で設置されているところです。

私見ではありますが、児童福祉センターなど児童健全育成の中核となる施設はともかく、
例えば昨年オープンいたしましたビラ・マリーン南知多、南知多老人福祉館などの老人休養ホームは、
高齢者の生活実態や周辺事業者との摩擦などへの配慮などから、
真に県として取り組むべき施設であるとは考えにくいのであります。

今後、心身障害者コロニーなどの建築も計画されているところでありますが、
県立施設の改築、新築に当たっては、時代のニーズに対応し、
県と民間の役割を十分見きわめながら整備する必要があると思います。

そこで最後に、今後の県立での施設整備について知事はどのような考えをお持ちなのか
お尋ねをして、私の第一問を終わります。


民生部長(坪井敏之)

初めに、県立の特別養護老人ホームのこれからのあり方についてでありますが、
現在、民生部 内で、介護保険導入の影響も踏まえまして、
民間に比較しての運営面での特色だとか福祉分野への民間活力導入のあり方などにつきまして、
根本的な見地から鋭 意検討を行っているところでございまして、
その検討結果を踏まえて今後の運営を図ってまいりたいと存じます。

次に、介護保険制度の実施に伴いまして、
民間社会福祉施設運営費補助金をどうするのかというお尋ねでございますが、
介護保険制度におきましては、これまでの措置制度と異なり、
利用者の選択 による多様な福祉サービスが受けられるようになるとともに、
特別養護老人ホームは、介護老人保健施設や療養型病床群等とともに、
施設サービス機関として位 置づけられることとなります。

そのため、県としましても、今後明らかにされる国の政省令の内容等を見ながら、
民間社会福祉施設運営費補助制度のあり方を検討してまいりたいと考えております。

次に、障害者施設の未設置の圏域についての整備の考え方でございますが、
現在建設中の施設を含めまして、
身体障害者療護施設及び精神薄弱者更生施設ともに未設置の圏域は、
県下14の障害保健福祉圏域中、尾張中部及び西尾幡豆の2圏域となっております。

今後、障害者の方がより身近な施設でサービスが受けられるよう、
各障害保健福祉圏域での設置状況だとか、入所待機者などの需要を勘案いたしまして、
圏域のバランスを考慮した整備を進めてまいる所存でございます。

次に、施設整備の進め方についてでございますが、
まず「愛フルプラン」の着実な推進を進めてまいる所存でございまして、
身体障害者療護施設につきましては、本年度までの着工ベースで定員835人と、
目標値の780人を既に達成しております。

また、精神薄弱者更生施設につきましては、
本年度までの着 工ベースで定員1730人でございまして、
「愛フルプラン」の2090人の数値目標は達成できるものと考えております。

今後とも、施設整備を進めるに当たりましては、圏域のバランスに十分配慮いたすとともに、
可能な限り障害者やその御家族の方々が身近な地域で積極的に生活をしていただくことができますよう、
ショートステイやデイサービスなど、在宅サービス機能を備えた施設づくりに努めてまいります。

次に、デイサービスやショートステイ事業における施設間の相互利用についてでございますが、
それぞれの施設がその本来の目的を損なわない範囲で施設を有効に利用することは、
障害者の方々が身近なところでサービスを受ける機会の拡大を図る上で大変有意義なことと考えております。

相互利用の拡大の見込みでございますが、身体障害者のショートステイにつきましては、
老人との間で平成五年度からモデル実施されているところであり、
知的障害者のデイサービスにつきましては、
平成八年度から身体障害者との間で実施されているところであります。

また、知的障害者のデイサービス及びショートステイに係る老人との相互利用につきましては、
対象者の状況等の違いから、現在では未実施でありますが、
国におきましては実施に向けて検討中であると伺っておりますので、
早期に実施されるよう、今後とも要望してまいりたいと考えております。

最後に、県立施設の運営の合理化につきましては、
これまでにも特殊浴槽などの介護機器の導入や清掃、警備、運転業務等の外部委託化などを進め、
業務の合理化を図ってきたところでありますが、
外部委託の導入により入所者の処遇向上や施設運営の効率化、弾力化が図られる分野につきましては、
今後とも積極的に推進していく 必要があると考えております。

特に調理業務につきましては、厚生省から児童福祉施設を除く
社会福祉施設の調理業務を第三者に委託することを認める通知が出されておりまして、
また、最近は調理技術や衛生面でも著しい向上が図られていると聞いておりますので、
各施設の状況も勘案しながら外部委託の導 入について今後検討してまいりたいと考えております。

以上でございます。

知事(鈴木礼治)

県立での施設整備についてでありますが、
これは昭和三十年代後半からの、いわば社会福祉施設の創 成期でございますか、
このころには、施設をつくろうという希望する民間法人も少なくて、
また、入所の対象者も非常に広域でございましたので、
県の指導によりまして施設の整備を進めてまいりまして、
県下の社会福祉の向上にそれが大きな役割を果たしてきたものと考えております。

しかし、近年は施設への入所需要が増大したこと、
それから民間社会福祉施設に対する補助制度が充実したことなどから、
各地域で民間法人による施設整備が進められてきております。
御承知のとおりであります。

今後は、ますます増加が予想されます高齢者、障害者の入所需要に的確に対応するため、
こうした民間法人を主体とした施設整備をさらに推進していくとともに、
地域性、それから専門性、特殊性等から、民間法人による整備が困難な場合につきましては、
県立での整備も考えていかなければならないと、このように考えております。

また、既存の県立社会福祉施設につきましては、
運営を合理的かつ効果的に進めていけるような、
積極的な行政合理化に取り組んでまいりたいと存じております。


渡辺ひでと

それでは、二点要望を申し上げたいと思います。

まず、ショートステイとデイサービスの相互 利用についてですけれども、
これは国の指示や、あるいは異なる対象者を受け入れるということが、
処遇上大変難しいという点もあろうかと思いますけれども、
この相互利用という制度は、身近な施設を利用できるという点がありますし、
あるいはその施設やその介護職員といった方を福祉の資源という位置づけとするならば、
大変に有効に活用ができるのではないかと思います。

そこで、先ほど御答弁いただきましたけれども、
知的障害者のデイサービス、あるいはショートステイの老人との相互利用の拡大については、
ぜひ引き続いて要望し、早期に実現ができるように要望していただきたいと思いますし、
また、実施されている、それぞれの間で実施されている間での利用につきましては、
まずは相互利用を実施していない個別の施設というところや、
あるいは市町村への周知とい うものを徹底をしていただきまして、
さらにこの制度が積極的に活用を図っていただけるようにお願いを申し上げたいと思います。

続きまして、県立施設の運営と愛知県厚生事業団についてであります。

県立の社会福祉施設のうち、26カ所は社会福祉法人、愛知県厚生事業団が運営をしておられます。
現在、職員数は約880人を抱えておられまして、
県の38の外郭団体、総員約3100人のうちの最大のものとなっております。

この愛知県厚生事業団が運営する施設は、他の施設に比べまして、大変に歴史もありますし、
長年培ってきたそれなりの処遇技術というものもあることは高く評価をいたします。

しかしその反面で、この職員の平均年齢が高いということ、
それから運営面での外部委託のおくれがあるのではないかと思いますし、
なおかつ給与水準の違いというものも民間に比べてあるわけであります。

こうしたことから、民立施設と比べれば運営費が高いのではないかと思います。

県立県営の施設はもちろんですけれども、
施設運営を託されております愛知県厚生事業団などの委託団体の運営についても、
行政合理化や施設の介護保険制度の導入など、施設運営制度が変わる中で、
今後、本部の、いわゆる厚生事業団の 本部業務の見直しも含めまして、
運営の合理化を積極的に図っていただきたいということを強く要望いたしまして、
終わりたいと思います。

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